ついに発表された FUJIFILM X-H2
これでダブルフラッグシップの両翼がそろったことになる
どんなカメラになるのか?
ワクワクしながら、発表を待ちわびていたファンも少なくないと思う。
大方の予想通り X-H2Sの高画素モデルとなったわけだが、X-H2Sとの違いはどこにあったのだろうか?
この記事では X-H2とX-H2Sの違いに触れつつ、発表されたX-H2の概要に触れていきたいと思う
X-H2とは?
2022年9月9日に発表され、2022年9月29日に発売する FUJIFILMの高画素フラッグシップカメラがX-H2です。
2022年7月に発売された X-H2Sの兄弟にあたる機種で、X-H2Sは高速フラッグシップカメラとなります。
この2機種にヒエラルキーの上下はなく、ダブルフラッグシップとして展開されていく。
新開発の裏面照射型X-Trans CMOS 5 HRセンサーと画像処理エンジンX-Processor 5を搭載するAPS-Cミラーレス一眼カメラ。
有効画素数は約4020万画素となり、APS-Cセンサーを搭載するカメラの中では、最高クラスの高画素モデルになっている。
フジフィルム X-H2のスペック
X-H2の動画性能
X-H2は Xシリーズ史上最高画質を誇るモデルとして、写真だけに留まらず動画性能でも、最高クラスの性能を搭載しています。
高画素センサーの特性を最大限に活かし、4:2:2 10bit 8K/30Pの動画の撮影(ボディ内記録)も可能となり、AppleProResコーデックにも対応している。
また 8Kで撮影した動画を高品質な4K動画にする8Kオーバーサンプリング4K動画モード【4K HQ】を新規搭載し、解像感に優れた4K映像の撮影も可能になっている。
X-Trans CMOS 5 HRの搭載により、動画撮影時にデジタルズーム機能が使えるようになった。
単焦点レンズ装着時でも、解像感を損なうことなく最大2倍のデジタルズームを実現できる他、電動ズームに対応した「XF18-120mmF4 LM PZ WR」との組み合わせることで、光学ズームからデジタルズームをシームレスに切り替え撮影することができ、レンズの持つ映像表現の幅を広げて撮影することができる。
動画の撮影時間も向上しており、8K/30Pの動画を最大で160分撮影可能。
ダイナミックレンジを13+stopに広げた「F-Log2」を搭載。階調豊かな映像を記録することができ、HDMI経由で8K/30P 4:2:2 12bitのRAWデータも出力可能だ。
X-H2の写真性能
もちろん 動画だけがX-H2の得意とするところではない。
X-Trans CMOS 5 HR搭載により従来より高い精度で露光時間制御が可能になったことで、従来機の1/32000秒から約2.5段分拡張。
最高で 1/180,000秒というシャッター速度(電子シャッター)での撮影を可能にした。
これだけのシャッター速度があれば、弾ける水しぶきの様子をブレるとこなく収めることができる他、晴天時や照り返しの強い状況下でも大口径レンズを開放で使うことができる。
感度性能も向上しており、常用感度 ISO125〜12800 となり、下はISO125からカバー。
拡張時は ISO 64〜51200となる。
新しい機能としては、4倍の解像力と忠実な色再現を可能にした【ピクセルシフトマルチショット】をXシリーズとして初搭載。
ボディ内手ブレ補正機能を活用し、センサー動かしながら自動撮影を行うことで、1回のシャッターで20枚の写真を撮影し、専用ソフトウェア「Pixel Shift Combiner」を用いて画像を処理することで、約1億6千万画素の超高解像な画像を生成することを可能にした。
全ての画素に赤・緑・青3つの色情報が揃うように高精度にイメージセンサーを動かし偽色を抑え込み、1.6億画素全てに正確な色情報が得られることで、リアルカラーで被写体を記録することができる。
肌のレタッチを自動で行う「スムーススキンエフェクト」もXシリーズとして初めて搭載いる。
滑らかなスキントーンを表現できるようになったことで、ポートレート写真などで行われるレタッチの手間を軽減することができ、より短い時間で完成度の高い画像データを作成することが可能になった。
さらに、ディープラーニング技術を活用し、オートホワイトバランスの性能を向上。
AIがオレンジがかった暖かみのある電球色を正確に識別し、より高精度なオートホワイトバランスを実現している。
X-H2の手ブレ補正
X-H2S同様に 最大 7.0段のボディ内手ブレ補正が搭載された。
5軸/最大7段分の防振性能を発揮し、夜景などの暗いシーンでもシッカリと効果を得ることができる。
X-H2のAF性能
ディープラーニング技術を用いた【被写体検出AF】を搭載している。
従来の人・瞳の他に、動物・鳥・車・バイク・自転車・飛行機・電車を検出できるようになった。
ピントを合わせたまま狙った被写体を自動的に追尾するため、シャッターチャンスや構図に集中することができる。
イメージセンサーが高画素化したことで、動物の毛や細かい葉っぱなどの高周波な被写体に対してAF-Sの合焦精度が向上。
風景撮影やポートレート撮影など幅広いシーンで、より正確なピント合わせを実現した。
動体撮影には、X-H2Sと同じAFの予測アルゴリズムを採用しているが、多少認識の精度には差があるようだ。
AF/MF時のフォーカスアシストの倍率を従来モデルの6倍から最大12倍に拡大。
動画撮影時のMFをより精緻に行うための機能としてフォーカスメーターを新たに搭載し、シビアなピントが要求される場面でも正確なピント調整が可能になった。
AFのアルゴリズムを最適化したことで、動画撮影時のAF精度も大幅に向上しており、より正確なピント合わせが求められる場面でも安心して利用することができる。
カメラのキタムラ ネットショップX-H2とX-H2Sの違い
X-H2とX-H2Sの大きな違いはセンサーや機能的など内部的な部分となり、ボディなどプラットフォームやアルゴリズムはX-H2Sと共通している。
とはいえ、全く同じというわけではないので、ここでは簡単に2機種の比較をしてみたいと思う。
X-H2 | X-H2S | |
---|---|---|
センサー | X-Trans CMOS 5 HR | X-Trans CMOS 5 HS |
有効画素数 | 約4020万画素 | 約2616万画素 |
映像処理エンジン | X-Processor 5 | X-Processor 5 |
手ブレ補正 | 5軸/7.0段 | 5軸/7.0段 |
撮影感度 | ISO 125〜12800 拡張ISO 64〜51200 | ISO 160〜12800 拡張ISO 80〜51200 |
シャッタースピード(メカ) | 〜1/8000 | 〜1/8000 |
シャッタースピード(電子) | 〜1/180000 | 〜1/32000 |
連射速度 | 最大20コマ/秒 | 最大40コマ/秒 |
被写体検出 | 人/瞳/動物/鳥/車/バイク&自転車/飛行機/電車 | 人/瞳/動物/鳥/車/バイク&自転車/飛行機/電車 |
ファインダー | 0.5型有機ELファインダー 約576万ドット | 0.5型有機ELファインダー 約576万ドット |
液晶モニター | 3.0型バリアングル式タッチパネル TFTカラー液晶 約162万ドット | 3.0型バリアングル式タッチパネル TFTカラー液晶 約162万ドット |
サブ液晶モニター | 1.28型モノクロメモリー液晶 | 1.28型モノクロメモリー液晶 |
動画 | 最大8K/30FPS | 最大6.2K/30FPS |
フィルムシミュレーション | 19モード | 19モード |
本体外形寸法 | 幅:136.3mm 高さ:92.9mm 奥行き:84.6mm | 幅:136.3mm 高さ:92.9mm 奥行き:84.6mm |
質量 | 本体のみ:約579g バッテリー/メモリーカード含む:約660g | 本体のみ:約579g バッテリー/メモリーカード含む:約660g |
細かな違いについては、改めて記事にしたいと思う。
フジフィルム X-H2の予想価格
X-H2の店頭予想価格は、ボディ単体が26万円前後。
XF16-80mm F4 R OIS WRのレンズキットが 33万円前後の予想。
X-H2Sの発表時の店頭予想価格が34万円前後であったことを考えると、高画素モデルであるX-H2の方がお求めやすい価格設定になっていることがわかる。
X-H2Sの購入を価格面で悩んでいたユーザーには、この上ない魅力的な値段になっていると思う。
【まとめ】フジフィルム X-H2
ということで、今回はFUJIFILM X-H2の発表を聞いた上で特徴をまとめてみた。
個人的にも凄く興味のある魅力的な機種になっている。
量販店の実売価格も予想では22万円前後(ボディのみ)で推移するのではないかと思われることから、価格設定についても絶妙なラインを突いてきたといったところだろう。
発売時の価格で80,000円ほどX-H2Sより安いこともあり、気軽に購入はできないにしても、30万円以上が当たり前になりつつあるハイエンドカメラの市場価格を考えると、この価格は意外に安いと思わせるには十分だ。
ダブルフラッグシップのX-H2とX-H2Sのどちらを選ぶかも悩ましい部分だが、【スチルメインならX-H2】【動画メインならX-H2S】といったシンプルな考えで良さそう。
しかし スチルメインでも、スポーツ撮影や野鳥撮影、レーシングカー/電車など動き物の撮影で高速AFが求められるシーンではX-H2Sの方がシックリくるかもしれない。
ポートレートや風景、星空といった高解像度が求められる場面では、約4020万画素 X-Trans CMOS 5 HR を搭載するX-H2が本領を発揮してくれそうだ。
ダブルフラッグシップながら、キャラクターの色分けはシッカリされているので、自身のメインとなる被写体に合わせ選んでいくのが良いだろう。
ダブルフラッグシップが出揃ったところで、今後期待されるのは【X-Tシリーズ】や【X-Sシリーズ】の後継機たち。
これまでのXシリーズは、モデルの上位/下位に関わらず同じセンサーとプロセッサーを採用してきた。
第5世代では、約2616万画素の裏面照射式積層型センサーの【X-Trans CMOS 5 HS】と約4020万画素の裏面照射式センサーの【X-Trans CMOS 5 HR】が共存してくることから、以降の新モデルがどちらのセンサーを採用されるのか楽しみだ。
個人的には、X-T1桁シリーズが高画素モデル、X-Sシリーズが高速モデルになってくれることを期待している。
来春には、X-Tシリーズ(X-T5)の発売もあるのではないかとの予想もあるので、FUJIFILMファンの楽しみは尽きない。
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