APS-Cミドルクラス比較【FUJIFILM X-T5とSONY α6700】

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今回はAPS-C機のミドルクラスやハイエンド機と言われている【FUJIFILM X-T5】と【SONY α6700】の比較をしていく。

FUJIFILMには、さらに上のX-H2やX-H2Sといった機種も存在するが、実際購入時に悩むのは、比較的価格の近いX-T5とα6700になってくるだろう。
実際に4~5ヶ月の間この2機種を使ってきたわけだが、カタログやスペックではわからない違いも多かった。

この記事では、筆者が実際に使って感じた違いを余すところなく盛り込んでいる。
ぜひとも購入の参考にしてほしい。

では、早速見ていこう。

目次

FUJIFILM X-T5とSONY α6700 徹底比較

カタログ値やスペックで比較する訳ではないが、一応スペック的な違いも抑えておこう。

スペック&サイズ比較

FUJIFILM X-T5SONY α6700
サイズ幅:129.5mm
高さ:91mm
奥行き:63.8mm
最薄部:37.9mm
幅:122.0mm
高さ:75.1mm
奥行き:75.1mm
最薄部:表記なし
重量約557g約493g
有効画素数約4020万画素約2600万画素
画像処理エンジンX-Processor 5BIONZ XR
記録メディアUHS-II対応 ダブルスロット
ビデオスピードクラスV90対応
UHS-II対応 シングルスロット
手ブレ補正7.0段5.0段
デジタルテレコン2.0/1.4/OFF2.0
シャッタースピードメカシャッター:30秒~1/8000秒
電子シャッター:30秒~1/180000秒
電子先幕シャッター:30秒~1/8000秒
メカシャッター:30秒~1/4000秒
電子シャッター:30秒~1/8000秒
常用ISO感度125~12800100~32000
ファインダー0.5型有機ELファインダー
約369万ドット
0.39型有機ELファインダー
約236万ドット
液晶モニター3.0型3方向チルト式タッチパネル付きTFTカラー
アスペクト比:3:2
ドット数: 約184万ドット
3.0型バリアングル式タッチパネル付きTFTカラー
アスペクト比:3:2
ドット数:約104万ドット
バッテリーエコノミーモード:約740枚
ノーマルモード:約580枚
液晶モニター使用:約570枚
ファインダー使用:約550枚

重量の違い

重さはわずかにα6700が軽いものの、50g程度の差に収まっている。
持ち比べると確かにα6700の方が軽いが、レンズの違いでこの差も無くなってしまう。
さらに、他の物と一緒にカバンに入れてしまうと違いは全くわからない。
重量の差は気にしなくて良いだろう。

レンズ群の違い

SONYのHPやカタログを見ると「豊富なEマウントレンズラインナップ」という表現を目にすることが多いが、これには注意が必要だ。
確かにEマウントレンズはSONY純正もサードパーティ製も豊富ではあるのだが、それはフルサイズレンズも含めてのことであることを忘れてはいけない

もちろんフルサイズ用のレンズをα6700に装着することもできるのだが、それではAPS-C機の小型・軽量・コンパクトというメリットを打ち消してしまうことになる。
SONYのAPS-Cフォーマット用に設計されたレンズの数は決して多くない。

先々フルサイズへのステップアップも視野に入れるのであれば、決して悪い選択肢ではないが、せっかくコンパクトなα6700にフルサイズ用の大きく思いレンズを装着するのは旨味が無くなってしまう。
特にAPS-C用の明るい単焦点レンズを探すとなると、選択肢はほとんど無くなってしまう。

一方でFUJIFILMはフルサイズセンサーのカメラを持たないブランドである。
一部 中盤というフルサイズよりも大きなセンサーを搭載するカメラがあるものの、メインはAPS-C機と言って差し支えないだろう。
APS-Cに限定してしまえば、純正のレンズラインナップはFUJIFILMの方が多いくらいだ。

またFUJIFILMのレンズはAPS-Cフォーマット専用のため小型なレンズが多い。
APS-C機の小型さを活かしたシステム構成を構築することも可能だ。

特に単焦点レンズのラインナップは豊富でSONYのレンズにはない大きな魅力になるだろう。
さらに最近はサードパーティ製のレンズも充実してきている。
レンズ選びについてはFUJIFILM X-T5に分があると見て間違いないだろう。

カスタマイズ性・操作性の違い

操作性やカスタマイズ性については、好みもあるがα6700に軍配が上がるだろう。

カスタマイズできるボタンの数も多く、割り当てることのできる機能の項目もα6700の方が多い。
X-T5で割り当てることのできない設定もα6700なら可能になっているケースも多々ある。

より自分好みの設定やカスタマイズを追求することができるのがα6700だろう。

悪い言い方をすると、多機能過ぎて戸惑う面も少なくない。
多機能であるがゆえにメニュー内で項目数が多岐に亘り、やや複雑でわかりにくいのが難点。
もう少し階層を浅くし、シンプルに操作性を高めてもらえると、より利便性が増すと思う。

好みの設定の追求ができる変わりに、好みの設定を決めるまでの時間は長く必要になるだろう。

一方でX-T5は、カスタマイズ性という面では劣ってしまうものの、不便さを楽しむような狙いが込められているように感じる。

カスタマイズできるボタン(Fnボタン)の数はそれなりにあるのだが、設定できるメニュー数は決して多くない。
悪く言うと、痒いところに手が届かない。良く言うと、割り切って使うことができる。

元々クラシックなデザインを売りにしているカメラなので、なんとなくデザインとのバランスが取れているとも言えなくはない。
設定できる項目が少ないことで、セットアップに時間を取られることもない。
「どんどん撮影して、使い込んで、慣れてくれ」とカメラ(メーカー)が訴えてきているのかもしれない。

ファインダー(EVF)と液晶モニターの違い

スペックの数値以上にこの違いは大きいと感じている。
特にファインダー(EVF)を覗いての撮影では、圧倒的にX-T5の方が気持ちよく撮影できる。
α6700のファインダーがダメと言うわけではないが、見え方も見える大きさもX-T5には敵わない。

さらに液晶モニターもX-T5の方がスペック的にも上回っている。
撮影した写真や動画の確認もX-T5のモニターのきめ細やかさが一段上になっている。

撮影した写真はPCで見るから関係ないという方も少なくないと思うが、撮影した現場でキレイな映像で見ることができると、撮影のテンションも高くなる。
自然と撮影枚数も増えるので、上達への近道となるわけだ。

バリアングルと3軸チルトの違いは、全く気にならない。
ココは好みで選んで良いだろう。

グリップ感の違い

グリップ感はかなりの違いがある。
大きく深みのあるグリップでがっしり握り込めるα6700。
前モデルより握りやすくなったとは言え、小ぶりなグリップのX-T5。

違いはあるのだが、正直慣れればどちらでも大きな問題はない。
強いて言えば、α6700の方が高さが無いゆえに、男性は小指が余ってしまう可能性が高いだろう。

そもそもX-T5とα6700では、グリップの握り方が異なる。
指を立てるようにして握り込むようにグリップするのがα6700で、X-T5は指を寝かせて揃えるようにグリップする。

ただ握った時に自然とシャッターボタンに人差し指が掛かるのはX-T5なのかもしれない。
α6700の方がやや人差し指に不自然に力が入り、人差し指とカメラの間に隙間ができてしまう。
筆者の好みの部分もあるが、X-T5の方が安定感があるように感じている。

手ぶれ補正の比較

X-T5が7.0段、α6700が5.0段とスペックで比較してもX-T5が優秀なのだが、実際に撮影してみると、X-T5の手ぶれ補正の優秀さには驚かされる。

同じような条件下で同じように設定をして撮影して比較してみると、X-T5はシャッタースピード1秒でもブレはほとんど感じない。
一方α6700はシャッタースピード0.5秒でもブレている。

動画撮影時のブレ補正はややX-T5が優秀ではあるが、写真撮影ほどの違いは感じなかった。

ビルドクオリティ比較

ビルドクオリティはどちらの機種も高いが、しの仕上げ方には多少の違いがある。

表面塗装はα6700の方がややザラッとした仕上がりになっている。
決して安っぽいというわけではなく、X-T5と比べてマットな印象が強い。

各ダイヤルやボタンの操作感も良く、どちらもカチャカチャした安い印象は皆無だ。

シャッターフィーリングの比較

シャッターを押した時の感覚やフィーリングは、かなり違うので購入前にチェックしておきたいところだろう。

X-T5は、シャッター半押しにクリック感があり、そこから押し込むことでシャッターが切れる。
α6700は、半押しにクリック感は無く、シャッターが切れるタイミングでクリック感がある。

半押しまでの押し込み具合は、X-T5の方がやや深い。

どちらも慣れると気にならなくなるが、フィーリングの好みは分かれるところだ。

バッテリー持ちの比較

カタログスペック上では、ややX-T5に分があるように見えるが、体感で差を感じることは無かった。
どちらの機種も必要十分にバッテリーは持ってくれる。

写真で大きな違いは感じないが、動画撮影となるとα6700の方がバッテリー持ちが良いと感じる。
カメラの設定や環境が同じではないので、正確な比較ではならないが、X-T5の方がバッテリーの減りがやや早いかもしれない。

スマホアプリの比較

スマホアプリでできることや操作感に大きな違いは無いが、接続スピードや転送スピードはSONYの方が上だ。
FUJIFILMのアプリの方が接続に時間が掛かるし、画像の転送も遅い。

アプリを積極的に使っていきたい場合は、α6700の方がストレス無く使えるだろう。

SDカード1枚は、プロでない限り気にしなくて良い

仕上がり設定の違い

クリエイティブルックも良いが、やはり面白いのはフイルムシミュレーションだろう。

仕上がり設定では、X-T5のフイルムシミュレーションがやはり魅力的だ。
FUJIFILMが作ってきたフィルムのカラーをイメージしながら、19種類のフイルムシミュレーションを好みやシーンに合わせて適応できる。
モノクロのフイルムシミュレーションだけで2種類あるというのも面白い。

SONYにはクリエイティブルックという仕上がり設定もあるが、種類もカラーの雰囲気もフイルムシミュレーションには及ばない。

また2機種ともに美肌効果のある設定も可能。
ポートレイト撮影などで上手く使っていきたい。

X-T5とα6700 比較【まとめ】

今回比較した2機種の特徴をまとめてみよう。

X-T5α6700
カメラとしての魅力や写真を撮る面白さガジェットとしての面白さや楽しさ
写真も動画も高画質で、時間を掛けて写真を撮ることを楽しむコンパクトさや高い携帯性を活かし、気軽なテンションでガンガン使いたい
APS-Cをとことん楽しみ尽くすレンズ構成が魅力フルサイズへのステップアップも視野に入れレンズ資産を構築できる

ざっとこんなところだろうか。
どちらも素晴らしいカメラであることは間違いない。

自分の撮りたい写真や将来の目標などに合わせてしっかり選んでほしい。

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この記事を書いた人

FUJIFILMを愛しFUJIFILMに愛されてないクマや。
たまに浮気もするんやけど、かんだでFUJIFILMに戻ってまう。
X-S10買うのは3回目やで。
うさんくさい関西弁やけど夢はFUJIFILMの先行レビューや!

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